箱男(はこおとこ) 安部公房
日本文学(旧)
DANO評価:★★★☆☆(満点は★5つ)
箱に入り、外界との接触を遮断することから
とりつかれた男のおはなし。
電波少年で「箱男」って企画がありましたが、
それは置いといて、子供の頃、でかいダンボールを見ると
やたらテンションが上がりませんでしたか?
外界と遮断したい、という嫌世からではなく
単純に自分だけの城が欲しいという、人間の欲からでしょう。
ただやはり、ずーーーっとダンボールの中にいると、
だんだん息苦しくなってきて、本当は早く出たいのに
「ここから出ると二度と城には戻れない!」というような
錯覚というか、自分ルールにしばられて、母親に
しばかれるまでずっと箱から出られなかった思い出があります。
閉所に長いこといると、ここが表なのか裏なのか、
内なのか外なのかわからなくなってしまう。
そこに嫌世感が入り、尚幻想的になった物語...。
そんなお話です。(2006.04.03) |